難民審査短縮に向け人員増とインフラ整備を提言(出入国管理法等改正案)~参議院法務委員会~
5月30日、参議院法務委員会で東京出入国管理局の人員体制の課題や施設整備の必要性などを含め出入国管理法等改正案に対して齋藤法務大臣の認識を問いました。

昨日の東京出入国管理局を視察させていただいた中で、難民申請者の90%が東京出入国管理局で申請がされている一方、難民審査を担当する職員は40数名で対応しているとのことでありました。難民認定審査には33か月程度要している現状に関して、局長に難民認定審査を短くするために職員数を増やすことで対応は可能かと質問したところ、短くなるとはっきり述べられたことを伝えた上で、長期収容や難民認定までに時間を大きく要する背景には丁寧に審査をしているという側面と、それ以上に人手が足りず審査を迅速に行えない実態を指摘し、大臣に外国人との共生社会の実現に向けて出入国管理局の人員体制の整備および施設の様々なインフラ整備を含めて検討するよう提言しました。
大臣は同感であり、これから外国人の方が増えてくるという前提で共生社会をつくり上げていかなければならない。それに向けてふさわしい体制の確保については、頭の真ん中にあるので努力していきたいと応じました。

入管が公表している難民認定者数の資料では、令和4年は1次審査で7,237人、不服申立の処理件数5,232人で合計12,469、また国籍数については1次審査で68か国となっています。申請等に対して5人の出入国管理局の専従職員が出身国情報を収集している状況にあります。一方4年間で難民審査参与員に出身国情報を提供した件数は35件であり、制度上出身国情報が提供できていない状況となっています。この状況を改善するためにも専従職員を大幅に増員するよう大臣に提言し認識を問いました。
大臣は、人員を増やせばベストなのかということと共にシステムとして適切に現場の人が最新情報を手に入れることができるよう考えていきたいと応じました。
この答弁に対して、出入国管理庁の職員は人事異動もあり職員個々の能力に左右されることのないようシステマチックに出身国情報が収集できるよう、今後の組織の見直しの中で検討を進めることが重要と指摘しました。