デジタル時代の人権保障と国民投票制度の課題を提起~参議院憲法審査会~
6月18日、参議院憲法審査会において、国民民主党・新緑風会を代表して、急速なデジタル化の進展により個人の人権保障を取り巻く環境が大きく変化し、AIの普及やプラットフォーム型社会の拡大が思想・良心の形成や政治的意思の表明に深く影響を及ぼす中、自律した個人を前提とする憲法の基本理念が揺らぎつつあることについて意見を述べました。
とりわけ、選挙や国民投票の場面において、プラットフォーム提供者によるマイクロターゲティング(個人に最適化された情報配信)やフィルターバブル(同じ傾向の情報しか届かない状態)の影響が、民主主義の根幹を揺るがすおそれがあると考えています。こうした事態を踏まえ、国民投票法や公職選挙法の公正性を担保する規律を憲法上でどう位置づけるべきか、早急に検討を進める必要があると提起しました。
具体的には、以下の点を提言しました。
〇憲法13条に定める「個人の尊重」の原則を、現実空間にとどまらず仮想空間にも及ぶことを明記すべきである。人権保障の中核的価値としての「個人の尊厳」が、現代社会のあらゆる空間で確保されるよう、憲法の基本理念を明確に示す必要がある。
〇情報自己決定権を実定憲法に明記すべきである。これまでは憲法13条の解釈により導かれてきた権利だが、自律した個人の尊厳が脅かされる現状を踏まえ、明文化によってデータポータビリティー権などの派生権利も含めて、より強く保障すべきである。また、プロファイリングに対して自己の重要な決定が自動的に行われない権利や、独立したデータ保護機関の設置についても検討が必要。
〇思想・良心の形成過程そのものの自由、自律性を憲法上保障すべきである。AIやアルゴリズムによるプロファイリングが、内心の自由に過度に干渉する懸念がある中、思想や良心の形成プロセスが歪められないよう、明確な憲法上の保護が求められる。
〇プラットフォーム提供者の責務についても提起した。言論空間の多様性がフィルターバブルにより損なわれる現状に鑑み、熟議が可能なサイバー空間を実現するための措置を講ずる責任をプラットフォーム側に課すことを検討すべきである。また、経済的分野においても圧倒的な優位性が健全な競争秩序を損なわないよう、透明性・公正性の確保に向けた責務を定めることも検討課題である。あわせて、多様な言論空間の確保や公正かつ自由な競争秩序を確保する上での国の責務や国会関与の必要性についても今後検討する必要がある。
とりわけ、選挙や国民投票の場面において、プラットフォーム提供者によるマイクロターゲティング(個人に最適化された情報配信)やフィルターバブル(同じ傾向の情報しか届かない状態)の影響が、民主主義の根幹を揺るがすおそれがあると考えています。こうした事態を踏まえ、国民投票法や公職選挙法の公正性を担保する規律を憲法上でどう位置づけるべきか、早急に検討を進める必要があると提起しました。
具体的には、以下の点を提言しました。
〇憲法13条に定める「個人の尊重」の原則を、現実空間にとどまらず仮想空間にも及ぶことを明記すべきである。人権保障の中核的価値としての「個人の尊厳」が、現代社会のあらゆる空間で確保されるよう、憲法の基本理念を明確に示す必要がある。
〇情報自己決定権を実定憲法に明記すべきである。これまでは憲法13条の解釈により導かれてきた権利だが、自律した個人の尊厳が脅かされる現状を踏まえ、明文化によってデータポータビリティー権などの派生権利も含めて、より強く保障すべきである。また、プロファイリングに対して自己の重要な決定が自動的に行われない権利や、独立したデータ保護機関の設置についても検討が必要。
〇思想・良心の形成過程そのものの自由、自律性を憲法上保障すべきである。AIやアルゴリズムによるプロファイリングが、内心の自由に過度に干渉する懸念がある中、思想や良心の形成プロセスが歪められないよう、明確な憲法上の保護が求められる。
〇プラットフォーム提供者の責務についても提起した。言論空間の多様性がフィルターバブルにより損なわれる現状に鑑み、熟議が可能なサイバー空間を実現するための措置を講ずる責任をプラットフォーム側に課すことを検討すべきである。また、経済的分野においても圧倒的な優位性が健全な競争秩序を損なわないよう、透明性・公正性の確保に向けた責務を定めることも検討課題である。あわせて、多様な言論空間の確保や公正かつ自由な競争秩序を確保する上での国の責務や国会関与の必要性についても今後検討する必要がある。