こども家庭庁発表の養育費の数値目標を質す(法務及び司法行政に関する調査)~参議院法務委員会~
5月11日、参議院法委員会でこども家庭庁が2031年に離婚後に受け取る養育費の割合を40%にする目標を掲げたことと、法務大臣の諮問機関である法制審議会家族法制部会(家族制度部会)において議論されている共同親権との整合性について政府の見解を質しました。
4月25日に小倉こども家庭庁政策担当大臣は、2031年までに離婚後に子どもの養育費を受け取る割合を現在の28.1%から40%に引き上げる目標を発表しました。他方、2021年より家族制度部会のなかで離婚後の養育や監護などについて議論が積み重ねられていて、パブリックコメント等も募集され8千件のコメントが寄せられています。そうした一連の流れをあたかも踏まえていないように数値目標だけが先走る形で唐突に出されたことに対し、これまで議論に携わってきた関係者の方々は不安や疑念を持つと同時に法制審の議論もパブリックコメントも必要ないじゃないかとの指摘もされています。また、これまで議論を積み重ねてきた共同親権や共同監護について導入しないことを前提として政府は数値目標を立てたのではないかと受けて止めている方もいます。
家族制度部会では民法改正試案が提出され当該条文には共同養育計画を公正証書を義務付け、養育費の不払いがあった場合は申立てによって裁判所は強制執行ができる立て付けとなっています。従って法律が改正されれば理論上は100%の養育費が支払われることとなり、こども家庭庁の今回の数値目標の発表はこの議論を踏みにじることにもなります。
日本の一人親世帯の貧困率は、OECD加盟35か国中34位であり、この要因として養育費が十分に支払われていないことが挙げられており、その背景にあるのが現行民法の単独親権制度であることが指摘されています。
こども家庭庁は受領率40%の根拠を、過去10年の上昇率を基に今後のトレンドを推計したと述べています。
このような「こども家庭庁」の対応に対して、子の権利を守るためにどうあるべきかの考え方に基づいた議論からスタートしていないゆえに、過去のトレンドから推計値を出すといったような機械的となっており当事者意識がないことを指摘し、法務大臣が家族制度部会に親権制度の在り方について諮問を行った理由を改めて確認しました。
大臣は諮問理由を「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚およびこれに関する制度に関する規定を見直す必要があると思われる」ことが理由であると述べました。
この答弁を受け、こども家庭庁に対し法務大臣答弁を重く受け止め今後の対応にあたるよう訴えました。
4月25日に小倉こども家庭庁政策担当大臣は、2031年までに離婚後に子どもの養育費を受け取る割合を現在の28.1%から40%に引き上げる目標を発表しました。他方、2021年より家族制度部会のなかで離婚後の養育や監護などについて議論が積み重ねられていて、パブリックコメント等も募集され8千件のコメントが寄せられています。そうした一連の流れをあたかも踏まえていないように数値目標だけが先走る形で唐突に出されたことに対し、これまで議論に携わってきた関係者の方々は不安や疑念を持つと同時に法制審の議論もパブリックコメントも必要ないじゃないかとの指摘もされています。また、これまで議論を積み重ねてきた共同親権や共同監護について導入しないことを前提として政府は数値目標を立てたのではないかと受けて止めている方もいます。
家族制度部会では民法改正試案が提出され当該条文には共同養育計画を公正証書を義務付け、養育費の不払いがあった場合は申立てによって裁判所は強制執行ができる立て付けとなっています。従って法律が改正されれば理論上は100%の養育費が支払われることとなり、こども家庭庁の今回の数値目標の発表はこの議論を踏みにじることにもなります。
日本の一人親世帯の貧困率は、OECD加盟35か国中34位であり、この要因として養育費が十分に支払われていないことが挙げられており、その背景にあるのが現行民法の単独親権制度であることが指摘されています。
こども家庭庁は受領率40%の根拠を、過去10年の上昇率を基に今後のトレンドを推計したと述べています。
このような「こども家庭庁」の対応に対して、子の権利を守るためにどうあるべきかの考え方に基づいた議論からスタートしていないゆえに、過去のトレンドから推計値を出すといったような機械的となっており当事者意識がないことを指摘し、法務大臣が家族制度部会に親権制度の在り方について諮問を行った理由を改めて確認しました。
大臣は諮問理由を「父母の離婚に伴う子の養育への深刻な影響や子の養育の在り方の多様化等の社会情勢に鑑み、子の利益の確保等の観点から、離婚およびこれに関する制度に関する規定を見直す必要があると思われる」ことが理由であると述べました。
この答弁を受け、こども家庭庁に対し法務大臣答弁を重く受け止め今後の対応にあたるよう訴えました。