交通運輸政策研究会第19回総会を開催~国民民主党議員連盟~
5月16日、交通労連の皆様と国民民主党議員連盟において交通運輸政策研究会第19回総会を開催しました。
総会では、新たな役員体制として会長に前原誠司衆議院議員、副会長に古川元久衆議院議員、事務局長に私 川合孝典を確認。
協議では、①「標準的な運賃」の告示制度(2024年3月末までの措置)の延長 ②乗合バスの新運賃制度創設 ③地域間幹線系統確保維持費国庫補助金の標準経常費用の見直し ④地域公共交通会議の厳格なルール構築などについて討議し、喫緊の取り組みとして貨物運送事業法の「標準的な運賃」の延長を政府に求めることを確認するとともに、今後も交通運輸産業の健全な発展によりそこで働く方々の処遇改善が図られるよう交通労連の皆様と共に引き続き研究活動をしていくことを確認しました。

(議題の詳細)
①2018年に貨物運送事業法の改正により創設された「標準的な運賃」ついては、運転者には全産業並みの給与の支給や車両の更新期間5年などの経営改善につながることを前提に、トラック事業者が法令を遵守して持続的に事業を行っていくための参考となる運賃が2020年に国土交通大臣から告示されました。
また、本年3月には、昨今の燃油価格の上昇により燃油サーチャージの設定・算出に関しても「標準的な運賃」の一部として、新たな告示として定められました。
「標準的な運賃」の告示がされた場合、運送会社は設定後30日以内に届出をしなければなりませんが、届出率は本年3月末時点で52%と約半数にとどまっています。
このように「標準的な運賃」に基づき荷主との交渉が出来ているとはいいがたい状況。「標準的な運賃」は来年3月までの時限措置であることから、延長を政府に求めていくことを確認しました。
②乗合バスの新運賃制度創設については、乗合バスの運賃は上限認可制になっている。一部の地域において他社とかけ離れた運賃で運行している事案が散見される。過当競争により安全や人件費への影響も懸念されることから「これ以上下回ってならない最低運賃」などを含めて、貸切バスの新運賃・料金制度を参考に「新運賃制度」の創設が必要。
③地域間幹線系統確保維持費国庫補助金の標準経常費用の見直しについては、「地域公共交通確保維持改善事業」「地域公共交通再編実施計画」により幹線バスや地域内フィーダーバスなどの補助金があるものの、過疎地域においては平均乗車密度及び運行回数も少ないため補助金が交付されても赤字である。また標準経常費用は適用地域の事業者の平均で算出されるため標準経常費用が自社単価を下回っている。従って、適用地域を貸切バスの運賃料金のようにブロック別で統一となる改善が求められる。
④地域公共交通会議の厳格なルール構築については、当該会議の委員は道路運送法に精通した者が委嘱されるべきであるが、そうとはなっていない現状がある。従って全ての委員に旅客自動車運送事業の基礎的知識に関する講習会の義務化や行政担当官からの的確な指導などを含めた「地域公共交通会議ガイドライン」を改正し厳格なルールに基づく会議の運営が求められる。