入管施設の早期の医療提供体制の整備を訴える(法務及び司法行政等に関する調査)~参議院法務委員会~
6月10日、法務及び司法行政等に関する調査の中で、出入国管理局(入管)の収容施設における医療提供体制の整備状況等について問いました。
名古屋入国管理局で昨年3月に適切な医療を受けることができず、収容者のスリランカ人女性ウィシュマさんが死亡した事案を受けて、この間、常勤医師の配置とともに薬剤師や看護師等の配置の改善を求めてきました。また、本年2月には、入管が設置した有識者会議からも入管収容施設における医療提供体制の強化に関する提言が示されており、これらに対する入管庁に常勤医師等の配置状況を質しました。
入管庁は「東日本センター及び大村センターにおいては常勤医師1名が確保できている。しかし、横浜支局、名古屋局及び大阪局では常勤医師が確保できていない。確保できない理由は、常勤医師の場合、国家公務員であり兼業が禁止されていること。また、民間に比べて給与が低いといった弊害が指摘されている」と応じました。

この答弁に対し、制約条件をクリアするためには法務大臣のリーダーシップで解決するよう訴えるとともに、長期収容者の方々に対する適切な医療提供体制がきちっと整っていることが前提でないと、今後、入管法の改正の議論はできない。長期収容する入管においては、常勤医師そしてパラメディカルの皆さんが必要な時に速やかに収容者の方の健康管理や医療的処置ができる体制でなければ長期収容してはいけない。そういう整理でこの問題を解決し、改善に向けて議論を進めるよう強く訴え、大臣の認識を問いました。
大臣は「医療体制を強化することは、私どもの責務である考えている。引き続き、常勤医師はもちろん、非常勤医師や医師以外の医療従事者の確保にも努めていく」、「本当に悔やんでも悔やみきれないこの出来事に対する強烈な反省の下、有識者会議からの提言に対しては、着実迅速な実行が第一の課題であると受け止め鋭意それを実施している。また、同時並行で収容施設の在り方の全般的なことを含め不断の努力を続けていく」と述べました。

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