入管行政の課題を指摘(法務及び司法行政等に関する調査)~参議院 法務委員会~
4月11日、参議院法務委員会で出入国管理庁において送還忌避者や難民申請者の推移の分析等がされていない実態など入管行政が抱える課題等を指摘し、今後審議が予定されている出入国管理法改正案に対する斎藤法務大臣の認識を問いました。
出入国管理庁では送還忌避者の総数また難民申請者数の総数は公表しているものの、その増減理由等の分析がされていないのが現状です。また、仮放免中の逮捕者が増加していることに対しても、総数のみの把握であり個々の逮捕事由が把握されていません。このような問題に対し、これから出入国管理法の改正案の審議を行うにあたって大きな論点になることを指摘しました。
その上で、出入国管理法の改正の議論において反対される方々との議論では、本来救われるべき難民が救われなくなるから入管法の改正をしてはいけないということが論点となります。
議論がかみ合わない理由は、不法在留者には就労目的等で逃亡している不法在留者と庇護されるべき難民の方々が一つのワードの中に混在していること自体がこの問題の本質にあると考えられます。本来庇護されるべき方々にしっかり光を当てていくためにも、混在している現状を整理するべきと訴え、斎藤法務大臣の認識を問いました。
大臣は、「提出している出入国管理法改正案においては補完的保護対象者の認定制度の創設や申請手続を創設し考慮事項を明確化するなど、在留特別許可制度の適正化なども盛り込んでいる。この法案の運用の中で一つの解決策を出していきたい」と述べました。
大臣答弁に対し、「運用は上層部が法の趣旨にのっとって決めて現場に伝えることから、現場の担当官は齟齬が生じないよう狭い解釈の中で対応している。現場の実態を踏まえてルールを明確化することが適正な入管行政を行っていく上で何よりも重要である」と提言しました。