公正な取引慣行の実現に向けて省庁要請 ~UAゼンセン、フード連合とともに~
2月3日、UAゼンセンおよびフード連合の皆様とともに、公正取引委員会、中小企業庁、農林水産省、消費者庁の4省庁に対し、国民生活を支える流通小売・卸売業および食品関連産業の健全な発展と、公正な取引慣行の実現に向けたさらなる改善を求め、要請を行いました。
UAゼンセンとフード連合は、2003年以降、合同で「取引慣行に関する実態調査」を毎年実施しています。今回の要請は、昨年9月から10月にかけて実施した調査結果を踏まえたものであり、不当な取引慣行の改善を目的としています。調査結果では一部改善も見られましたが、さらなる取り組みの強化が必要であるとして、各省庁に対し一層の対応を求めました。
各省庁との懇談では、私から次のとおり提言・要請等をさせていただきました。
公正取引員会
「賞味期限、消費期限、品質保持期間の3つが存在することで、流通においてさまざまな課題が生じている。特に、著しく低価格で販売されている商品には、期限が迫ったものを買いたたいて流通させている側面もある。しかし、食品の「食べられるかどうか」という観点では、現在の期限設定には相当な余裕があるのが実情。実態に即した対応をお願いしたい。」
中小企業庁
「価格転嫁をルール化し、適切に反映させる仕組みが必要。現在、「労務費は企業努力で吸収すべき」という認識が根強く、優越的地位の濫用もあり、交渉が難しい状況が続いている。一定のルールがあれば、指針を根拠に価格転嫁を求めやすくなる。競争原理がある中、企業単独での対応は困難であり、制度の整備が不可欠。ペナルティを課す以前に、通報の義務化や強化月間の実施など、現行の枠組みの中でできる対策を講じるべき。」
農林水産省
「食料品の安定には販売価格が重要であり、賞味期限・消費期限・品質保持期限の一本化も課題。消費者が期限の長い商品を選ぶため、短いものが叩き売られ、安売りが常態化している。本来、用途に応じた選択が可能であるべき。売れ残りの過剰も問題であり、理解を促す必要がある。立法を機に、取り組み強化月間の実施や通報の強化を進めるべき。」
消費者庁
「消費者への働きかけとしてフードロス削減に注力すべき。消費者は本能的に安く新しい商品を求めるが、それが結果的にフードロスを増やしている。消費期限・賞味期限・品質保持期限の違いを理解し、適切に選ぶ意識を醸成することが重要。店舗の自由な値付けのもと、関係省庁と連携しながら消費者教育を進め、この問題への理解と行動を促す取り組みが求められる。」
【各省庁への要請事項】
(公正取引委員会)
1. 「取引慣行に関する実態調査」で明らかになった優越的地位の濫用行為の事例をふまえ、当該の小売業者等に対して改善を図るよう指導するとともに、法令遵守の徹底を推進する。
2. コスト上昇分の適正な価格転嫁と指針の徹底運用の推進
労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇分を適切に価格転嫁できるよう「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」の着実な実施や、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の周知および運用を徹底する。
3. 優越的地位の濫用等の行為に対する告発納入業者および告発者の保護の徹底を図る。告発者に対する報復行為等が行われないように、その周知・指導・監視の強化を行う。
4. 「大規模小売業告示」、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」について、食品製造業者・小売業者・卸売業者にも現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
(中小企業庁)
1. 「取引慣行に関する実態調査」で明らかになった優越的地位の濫用行為の事例をふまえ、当該の小売業者等に対して改善を図るよう指導するとともに、法令遵守の徹底を推進する。
2. 公正な取引のもとで、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇分を適切に価格転嫁できるよう「パートナーシップによる価格創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を着実に実施する。
3. 優越的地位の濫用等の行為に対する告発納入業者および告発者の保護の徹底を図る。告発者に対する報復行為等が行われないように、その周知・指導・監視の強化を行う。
4. 「下請代金支払遅延等防止法」、「振興基準」、「労務費の適切な価格転嫁のための価格交渉に関する指針」について、食品製造業者・小売業者・卸売業者にも現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
(農林水産省)
1. 公正な取引慣行の実現を前提とした合理的な価格の形成に関する法制化および運用強化を図る。
2. 取引上の法令違反の未然防止に向けて「食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドライン」について、より実効性の高い内容となるよう改善を継続するとともに、食品製造業者、小売業者の現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
3. 「パートナーシップによる価値創造のための価格円滑化施策パッケージ」にもとづき、食品製造業と小売業との協力体制の構築を推進するとともに、消費者をはじめとする関係者に必要な情報提供を図る。
(消費者庁)
1. 消費者が、自らの適切な判断により、健全な食生活、ひいては健全なフードバリューチェーンを実現するために、“食”に係る「消費者・教育・生産・流通」関係者の協議会等を設置し、食の安全・安心推進計画の策定等、実効性のある対策を検討・推進する。
2. 食品価格について、単に安価を追求するだけでなく、持続可能な食品提供を実現することが消費者の“食”の基盤となることを消費者教育に反映するとともに、企業や消費者の意識を醸成する啓発を強化する。
UAゼンセンとフード連合は、2003年以降、合同で「取引慣行に関する実態調査」を毎年実施しています。今回の要請は、昨年9月から10月にかけて実施した調査結果を踏まえたものであり、不当な取引慣行の改善を目的としています。調査結果では一部改善も見られましたが、さらなる取り組みの強化が必要であるとして、各省庁に対し一層の対応を求めました。
各省庁との懇談では、私から次のとおり提言・要請等をさせていただきました。
公正取引員会
「賞味期限、消費期限、品質保持期間の3つが存在することで、流通においてさまざまな課題が生じている。特に、著しく低価格で販売されている商品には、期限が迫ったものを買いたたいて流通させている側面もある。しかし、食品の「食べられるかどうか」という観点では、現在の期限設定には相当な余裕があるのが実情。実態に即した対応をお願いしたい。」
中小企業庁
「価格転嫁をルール化し、適切に反映させる仕組みが必要。現在、「労務費は企業努力で吸収すべき」という認識が根強く、優越的地位の濫用もあり、交渉が難しい状況が続いている。一定のルールがあれば、指針を根拠に価格転嫁を求めやすくなる。競争原理がある中、企業単独での対応は困難であり、制度の整備が不可欠。ペナルティを課す以前に、通報の義務化や強化月間の実施など、現行の枠組みの中でできる対策を講じるべき。」
農林水産省
「食料品の安定には販売価格が重要であり、賞味期限・消費期限・品質保持期限の一本化も課題。消費者が期限の長い商品を選ぶため、短いものが叩き売られ、安売りが常態化している。本来、用途に応じた選択が可能であるべき。売れ残りの過剰も問題であり、理解を促す必要がある。立法を機に、取り組み強化月間の実施や通報の強化を進めるべき。」
消費者庁
「消費者への働きかけとしてフードロス削減に注力すべき。消費者は本能的に安く新しい商品を求めるが、それが結果的にフードロスを増やしている。消費期限・賞味期限・品質保持期限の違いを理解し、適切に選ぶ意識を醸成することが重要。店舗の自由な値付けのもと、関係省庁と連携しながら消費者教育を進め、この問題への理解と行動を促す取り組みが求められる。」
【各省庁への要請事項】
(公正取引委員会)
1. 「取引慣行に関する実態調査」で明らかになった優越的地位の濫用行為の事例をふまえ、当該の小売業者等に対して改善を図るよう指導するとともに、法令遵守の徹底を推進する。
2. コスト上昇分の適正な価格転嫁と指針の徹底運用の推進
労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇分を適切に価格転嫁できるよう「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」の着実な実施や、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」の周知および運用を徹底する。
3. 優越的地位の濫用等の行為に対する告発納入業者および告発者の保護の徹底を図る。告発者に対する報復行為等が行われないように、その周知・指導・監視の強化を行う。
4. 「大規模小売業告示」、「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」について、食品製造業者・小売業者・卸売業者にも現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
(中小企業庁)
1. 「取引慣行に関する実態調査」で明らかになった優越的地位の濫用行為の事例をふまえ、当該の小売業者等に対して改善を図るよう指導するとともに、法令遵守の徹底を推進する。
2. 公正な取引のもとで、労務費、原材料費、エネルギーコスト等の上昇分を適切に価格転嫁できるよう「パートナーシップによる価格創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を着実に実施する。
3. 優越的地位の濫用等の行為に対する告発納入業者および告発者の保護の徹底を図る。告発者に対する報復行為等が行われないように、その周知・指導・監視の強化を行う。
4. 「下請代金支払遅延等防止法」、「振興基準」、「労務費の適切な価格転嫁のための価格交渉に関する指針」について、食品製造業者・小売業者・卸売業者にも現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
(農林水産省)
1. 公正な取引慣行の実現を前提とした合理的な価格の形成に関する法制化および運用強化を図る。
2. 取引上の法令違反の未然防止に向けて「食品製造業者・小売業者間における適正取引推進ガイドライン」について、より実効性の高い内容となるよう改善を継続するとともに、食品製造業者、小売業者の現場段階での周知徹底および指導強化を図る。
3. 「パートナーシップによる価値創造のための価格円滑化施策パッケージ」にもとづき、食品製造業と小売業との協力体制の構築を推進するとともに、消費者をはじめとする関係者に必要な情報提供を図る。
(消費者庁)
1. 消費者が、自らの適切な判断により、健全な食生活、ひいては健全なフードバリューチェーンを実現するために、“食”に係る「消費者・教育・生産・流通」関係者の協議会等を設置し、食の安全・安心推進計画の策定等、実効性のある対策を検討・推進する。
2. 食品価格について、単に安価を追求するだけでなく、持続可能な食品提供を実現することが消費者の“食”の基盤となることを消費者教育に反映するとともに、企業や消費者の意識を醸成する啓発を強化する。