出入国管理法等改正案について参考人質疑~参議院法務委員会~
5月23日、参議院法務委員会で、出入国管理法等改正案に関して参考人の方より陳述をお聞きし、衆議院で修正が加えられえたことに対しての評価などについてご意見を伺いました。
(参考人)杏林大学総合政策学部教授 川村真理 氏
(参考人)明治学院大学国際学部教授 阿部浩己 氏
(参考人)国際基督教大学人道アクションネットワーク(NOHA)プログラムコーディネーター 小尾尚子 氏
(参考人)特定非営利活動法人北関東医療相談会事務局 長澤正隆 氏
阿部参考人に、陳述の中で「40件弱の本来難民認定されるべき方がされなかった」との言及について、具体的に認定されなかった事案とともに再発を防ぐ術、また参考人から見て難民審査参与員は難民認定の専門家として捉えておられるのかを問いました。
参考人は、ある国から逃れてきた女性で夫が交通事故で亡くなったことを理由に夫の親族から危害を加えられていることを訴えた方で、第一次審査の段階ではインタビューもなく書面審査だけで不認定に回されてしまった。私人間の紛争であり、また夫が交通事故で亡くなったことでなぜ妻が夫の親族から攻撃を受けるのか、これがきちんとした審査に値しないとして不認定になったと見て取れた。しかし、私は、結果的にこれは認定すべき事案だとして出身国情報を調べると、その方の出身国では確かに夫が亡くなったときに妻が夫の親族から攻撃を受けることが頻繁に行われ重大な人権問題になっており、この人は特定の社会集団の構成員を理由にして重大な危害受ける危険性があるとして難民認定すべきと判断した。また、再発の防止のためには、難民審査参与員を含めて、面接の仕方、供述の信憑性の評価の仕方、出身国情報の使い方など個別事案に即した研修がきちんとされる体制が重要である。
また、難民審査参与員は、人道支援、法律、地域研究の専門家であるが、誰一人、難民認定の専門家ではない。だからこそ難民認定手続に詳しくなるためには研修を行けないといけないと述べました。
小尾参考人に、衆議院で修正が加えられ出身国情報の収集、難民認定にまつわる規定等について書き加えられたことへの評価を伺いました。
参考人は、明文化されたことを歓迎すると述べた上で、研修を実効性のあるものとするためには、難民調査官のみならず難民認定手続に関与する全ての当事者への継続的な研修、能力育成が必要であり、不服申し立ての手続に関わる難民審査参与、通訳、弁護士、裁判官、そして難民認定の決裁権を持つ法務省の政務三役の方に対しても専門的研修を継続的に行うことが求められる。また、研修をやりっ放しではなく実際の難民認定に確実に反映されているのかを評価することが重要である。
また出身国情報に関しては、新たに作られた部署で5名の方が当たられていることは非常に喜ばしいと感じている。将来的に数、範囲の拡充を期待している。ただし役所であり人事異動もあることから、蓄えた知識、経験を次の人につないでいくことができるのかが課題だと考えている。また、出身国情報の収集や分析を法務省の中で完結するのではなく、民間と協力して行い日本全体の難民認定制度の質の向上につながることを望むと述べました。
川村参考人に今回の法律改正を受けて運用上見直すべき点について伺いました。
川村参考人は、どのように難民認定のプロセスの質を高めていくか。また、難民審査参与員制度に対して能力が低いとか独立性が保たれていないなどの批判がある。難民審査参与員制度の独立性・公平性を担保しつつ、スキルアップ等を図ると同時に、体制の組み方についても工夫をすることでより良いものになると述べました。
(参考人)杏林大学総合政策学部教授 川村真理 氏
(参考人)明治学院大学国際学部教授 阿部浩己 氏
(参考人)国際基督教大学人道アクションネットワーク(NOHA)プログラムコーディネーター 小尾尚子 氏
(参考人)特定非営利活動法人北関東医療相談会事務局 長澤正隆 氏
阿部参考人に、陳述の中で「40件弱の本来難民認定されるべき方がされなかった」との言及について、具体的に認定されなかった事案とともに再発を防ぐ術、また参考人から見て難民審査参与員は難民認定の専門家として捉えておられるのかを問いました。
参考人は、ある国から逃れてきた女性で夫が交通事故で亡くなったことを理由に夫の親族から危害を加えられていることを訴えた方で、第一次審査の段階ではインタビューもなく書面審査だけで不認定に回されてしまった。私人間の紛争であり、また夫が交通事故で亡くなったことでなぜ妻が夫の親族から攻撃を受けるのか、これがきちんとした審査に値しないとして不認定になったと見て取れた。しかし、私は、結果的にこれは認定すべき事案だとして出身国情報を調べると、その方の出身国では確かに夫が亡くなったときに妻が夫の親族から攻撃を受けることが頻繁に行われ重大な人権問題になっており、この人は特定の社会集団の構成員を理由にして重大な危害受ける危険性があるとして難民認定すべきと判断した。また、再発の防止のためには、難民審査参与員を含めて、面接の仕方、供述の信憑性の評価の仕方、出身国情報の使い方など個別事案に即した研修がきちんとされる体制が重要である。
また、難民審査参与員は、人道支援、法律、地域研究の専門家であるが、誰一人、難民認定の専門家ではない。だからこそ難民認定手続に詳しくなるためには研修を行けないといけないと述べました。
小尾参考人に、衆議院で修正が加えられ出身国情報の収集、難民認定にまつわる規定等について書き加えられたことへの評価を伺いました。
参考人は、明文化されたことを歓迎すると述べた上で、研修を実効性のあるものとするためには、難民調査官のみならず難民認定手続に関与する全ての当事者への継続的な研修、能力育成が必要であり、不服申し立ての手続に関わる難民審査参与、通訳、弁護士、裁判官、そして難民認定の決裁権を持つ法務省の政務三役の方に対しても専門的研修を継続的に行うことが求められる。また、研修をやりっ放しではなく実際の難民認定に確実に反映されているのかを評価することが重要である。
また出身国情報に関しては、新たに作られた部署で5名の方が当たられていることは非常に喜ばしいと感じている。将来的に数、範囲の拡充を期待している。ただし役所であり人事異動もあることから、蓄えた知識、経験を次の人につないでいくことができるのかが課題だと考えている。また、出身国情報の収集や分析を法務省の中で完結するのではなく、民間と協力して行い日本全体の難民認定制度の質の向上につながることを望むと述べました。
川村参考人に今回の法律改正を受けて運用上見直すべき点について伺いました。
川村参考人は、どのように難民認定のプロセスの質を高めていくか。また、難民審査参与員制度に対して能力が低いとか独立性が保たれていないなどの批判がある。難民審査参与員制度の独立性・公平性を担保しつつ、スキルアップ等を図ると同時に、体制の組み方についても工夫をすることでより良いものになると述べました。