刑事施設収容者のワクチン接種の対応状況および名古屋入管のスリランカ人死亡事案について質疑 ~参議院法務委員会~
3月29日、法務委員会において刑事収容施設の収容者への新型コロナワクチン接種の対応状況および名古屋入管におけるスリランカ人女性の死亡事案について質疑をしました。

〇刑事収容施設の収容者への新型コロナワクチン接種の対応状況について
3月16日の質疑において刑事収容施設の収容者に対するワクチン接種状況についてはバラツキがあると共に大変遅れていることを指摘。古川法務大臣は、この指摘に対しワクチン接種の今後の推進の取り組みに関して自治体と調整を綿密に進めるよう指示すると述べたものの、その後の取り組み状況を政府参考人に質したところ、何ら具体的な対応がされていないことが明らかになりました。
この現状に対し、法務省ならびに厚生労働省より接種の主体である自治体に対して、刑事施設収容者のワクチン接種について推進願いたい旨の通達を発出しないと具体的に動かないことを訴え、改めて大臣の認識を質しました。
大臣は、「3月16日の委員会でワクチン接種がなかなかはかどらないことについて、前に進められるよう現場に指示を徹底すると申し上げた。大変恥ずかしいことであるが、指示が徹底していないようで、改めて徹底する。申し訳ありません」と陳謝しまいた。

〇名古屋入管内の死亡事案について
2021年3月に名古屋入国在留管理局(入管)の収容施設でおきたスリランカ人女性死亡事案の中間報告書には、2021年2月15日に2回目の尿検査の検査結果が公表されいていないこと。また、この2回目の尿検査で異常値が示されているにも拘らず、入管施設の非常勤医師は何ら医療行為を行わなかったことに対して、医師2名からなる外部有識者は「2月15日の検査結果を踏まえて追加的な検査等を行うことが望ましかったが、それが行われなかった原因は医療体制の制約にある」との指摘がされている。現在、入管では非常勤医師の配置を少し増やしているが、週2回かつ僅か2時間の非常勤医師の体制では、急性期憎悪期の患者の症状管理はできない。速やかに適切な医療行為を行うために常勤医師を長期収容施設に配置するよう訴えた上で、外国人の方々の基本的人権と同時に不法在留者の基本的人権に関して大臣の認識を質しました。
大臣は、「名古屋入管の事案のようなことは二度と起こしてはならない。昨年8月の調査報告書等を基にしっかりと対策を打っていく」、「日本人であれ外国人であれ、人権は最も尊重されるべきものである。これは、いわゆる不法滞在者においても同様である。人権に配慮しながらもルールにのっとって外国人を日本に受け入れて、適切な支援を行い、ルールに反する者に対しては厳正に対処する」と述べました。

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