厚生労働委員会での質疑
 4月11日、厚生労働委員会「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」の審議において質疑に立ちました。
 この法律は、相模原市の障害者支援施設において発生した事件の再発防止のため、精神障害者の入退院や治療の方針等について見直しを行うことが主な立法趣旨とされています。しかし、この事件の被告は精神鑑定の結果、刑事責任能力があると認められており、精神障害に起因するものではないことが明らかになっています。つまり、そもそも法改正の前提となる立法事実が存在しない訳であり、この点について塩崎厚労大臣の認識を質しました。大臣からは、「事件をきっかけとして措置入院制度や法律を見直した結果である」との答弁がありましたが、精神障害をお持ちの方に対する配慮に欠けた表現であり、障害者権利条約との整合性や国際社会の動向に逆行している点について指摘しました。
 また、隔離や身体拘束件数が近年急増している理由、医療保護入院の同意・不同意の枠組みの整備、家族等の同意の客観性をどう担保するのか、現場での混乱が生じている点について指摘し、大臣からは、「市町村長同意による医療保護入院についてのガイドラインを用意する」との方針が示されました。
 その他、新たな支援計画の実施にあたり負担増となる医療機関への支援策、都道府県別に見た警察通報件数とその後の措置入院数のばらつき、精神保健指定医資格の不正取得問題等について質問しました。
 最後に、精神医療に対する国民の信頼回復を速やかに図るとともに、精神障害をお持ちの方を支援の名の下に縛り付けるようなやり方ではなく、ノーマライゼーションの理念に基づいてどう包摂していくか、その観点からの法改正を強く求めました。