外国人労働者受け入れの基本理念を問う~参議院法務委員会(法務及び司法行政等に関する調査)~
4月9日、外国人の受け入れを拡大する政策を推進するうえでの政府の基本理念などを法務大臣に問いました。
今国会では、技能実習制度自体を見直して外国人労働者の受け入れを今後積極的に行い、その上で外国人との共生社会をいかに進めていくための法案審議が予定されています。紆余曲折はありましたが、外国人を労働力として正面から受け止めて受け入れを行っていく方向性に分かりやすく転換をしつつあることは評価できます。
しかし、これまでの取り組みを見ると一貫性がなく、その折々の個別対応に終始し一貫した対応方針が無いように見えます。外国人をきちっと受け入れて、日本の国内で自立して生活し働いていただくことを考えると、在留している外国人のライフサイクルを俯瞰した形で一貫性のある政策が求められます。

このことを踏まえて、学ぶ、住む、働く、家族生活、あわせて老後の生活を含めた政策を考えていくべきと指摘し「外国人労働者の受け入れにあたっての基本理念の捉え方」「一貫性のある政策立案の必要性」および「今回の外国人労働者の受け入れの前提は、超少子高齢化社会を迎えたなかで、必要不可欠な労働力として受けいれるとの認識でよいか」などについて小泉法務大臣の見解を問いました。

大臣は、基本理念について「日本という国で共生社会に入ってもらう、我々は共生社会という形で外国人を受けいれる新しい考え方を伴った開国、それが今回の法律改正の根底にあると考える」、一貫性の政策については「行政的な視点で全体を見、また外国人労働者のライフサイクルを見るという大きな視野は、まだまだこれから我々の中で議論していかなければいけない課題」、外国人労働者の受け入れへの認識については「労働者として入っていただくことは間違いない。ただ、中長期的に日本に滞在することになれば永住・定住していただくことになれば労働者ではなく生活者に変わり、我々の共生社会の仲間になっていく、そのよう段階を経ていくと思う」と応じました。

この答弁に対し「どこからか労働者だけでなく生活者に切り替わっていくということが、すごく難しい話だと認識している。ここをきちんと整理して将来に向けて政策を今のうちから設計できるかが今後の本当の意味での共生社会につながる」と訴えました。