技能実習生に関する諸問題について質疑~参議院法務委員会~
12月19日、法務委員会で技能実習生に関する諸課題および持続可能な保護司制度について、法務大臣の認識を問いました。
飲食料品製造業務分野における特定技能2号への資格変更要件には、「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験2年以上」と定められています。この要件に対し、技能実習生を受け入れている現場からは、「管理職経験2年以上」と認識され、現場の実態と乖離しているのではないかとの指摘があります。
このような要件の表記や運用は、制度を利用する人々の受け止め方に大きな影響を与えるため、今後、育成就労制度への見直しにおいて、より具体的で実態に即した設計を行うべきと指摘し、法務大臣の認識を問いました。
法務大臣は「業所管省庁において、資格要件等を策定することになっている。そうした点も踏まえ、各省庁と連携しながら、実態を反映した形でしっかりと取り組んでまいりたい」と応じました。
2023年の技能実習中に失踪した外国人は9,753人に達し、過去最多となりました。一部では、緊急避難措置が認められた技能実習生が、来日直後に失踪するケースが指摘されています。また、失踪者の約9割が就労制限のない特定活動資格への変更を申請しているとの報告もあります。
難民として受け入れる方々については、人道的配慮に基づき適正に対応することが求められますが、一方で、制度を故意に悪用することで、本来救うべき人を救えない状況を生じさせる可能性が懸念されます。
また、技能実習生を受け入れる企業にとっても問題は深刻です。送り出し機関への手数料や日本語教育の研修費用など、企業側が多額の費用を負担しているにもかかわらず、失踪問題が頻発することで受け入れ自体を躊躇するケースも増えることが懸念されます。
このような状況を踏まえ、「法令に基づく適正な制度運用が最も重要であり、失踪者の資格変更が自己責任によるものなのか、それともハラスメントなど外的要因によるものなのかを慎重に見極める必要がある」と指摘するとともに、「今後の対応において、制度の適正運用と慎重な対応を進めるべき」と訴えました。
技能実習生の受け入れ企業を監査する監理団体4,537のうち、2,352団体(全体の58.1%)で、監査や指導に法令違反があることが確認されています。今後、監理団体については「育成就労制度」への移行に伴い、中立性を高めるため、外部監査人の設置が義務付けられることが決まっています。しかし、監査自体の適正性に問題がある現状を踏まえ、受け入れ企業側からは制度の実効性に対する疑問の声が上がっています。 このような状況を受け、出入国在留管理庁などによる監理団体への監査に加え、受け入れ企業に対してアンケートを実施し、受け入れ企業が監理団体をどのように評価しているのか意見を聴取することも検討するよう提言しました。 法務省が設置した「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」は、本年10月に報告書を法務大臣に提出しました。 この報告書には、保護司の人脈のみに頼る現状を改善するため、保護司活動のインターンシップの導入や、原則66歳以下とされている新任委嘱時の上限年齢の撤廃といった施策が掲げられています。 一方で、保護司制度の根本的な在り方について議論をし直さなくてはいけない時期に来ていると考えます。このこと踏まえて大臣に、今回の報告書に基づく施策が担い手不足の問題を解決する上で十分なものと捉えているか、認識を問いました。 大臣は「まずは今回の施策をしっかりと進めた上で、その状況を見ながら、必要であれば5年後に制度の見直しをしていく」と答弁しました。 この答弁に対し、人手不足対策の具体的な施策に留まらず、保護司制度の根本的な在り方についての議論が欠けていると指摘しました。
飲食料品製造業務分野における特定技能2号への資格変更要件には、「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験2年以上」と定められています。この要件に対し、技能実習生を受け入れている現場からは、「管理職経験2年以上」と認識され、現場の実態と乖離しているのではないかとの指摘があります。
このような要件の表記や運用は、制度を利用する人々の受け止め方に大きな影響を与えるため、今後、育成就労制度への見直しにおいて、より具体的で実態に即した設計を行うべきと指摘し、法務大臣の認識を問いました。
法務大臣は「業所管省庁において、資格要件等を策定することになっている。そうした点も踏まえ、各省庁と連携しながら、実態を反映した形でしっかりと取り組んでまいりたい」と応じました。
2023年の技能実習中に失踪した外国人は9,753人に達し、過去最多となりました。一部では、緊急避難措置が認められた技能実習生が、来日直後に失踪するケースが指摘されています。また、失踪者の約9割が就労制限のない特定活動資格への変更を申請しているとの報告もあります。
難民として受け入れる方々については、人道的配慮に基づき適正に対応することが求められますが、一方で、制度を故意に悪用することで、本来救うべき人を救えない状況を生じさせる可能性が懸念されます。
また、技能実習生を受け入れる企業にとっても問題は深刻です。送り出し機関への手数料や日本語教育の研修費用など、企業側が多額の費用を負担しているにもかかわらず、失踪問題が頻発することで受け入れ自体を躊躇するケースも増えることが懸念されます。
このような状況を踏まえ、「法令に基づく適正な制度運用が最も重要であり、失踪者の資格変更が自己責任によるものなのか、それともハラスメントなど外的要因によるものなのかを慎重に見極める必要がある」と指摘するとともに、「今後の対応において、制度の適正運用と慎重な対応を進めるべき」と訴えました。
技能実習生の受け入れ企業を監査する監理団体4,537のうち、2,352団体(全体の58.1%)で、監査や指導に法令違反があることが確認されています。今後、監理団体については「育成就労制度」への移行に伴い、中立性を高めるため、外部監査人の設置が義務付けられることが決まっています。しかし、監査自体の適正性に問題がある現状を踏まえ、受け入れ企業側からは制度の実効性に対する疑問の声が上がっています。 このような状況を受け、出入国在留管理庁などによる監理団体への監査に加え、受け入れ企業に対してアンケートを実施し、受け入れ企業が監理団体をどのように評価しているのか意見を聴取することも検討するよう提言しました。 法務省が設置した「持続可能な保護司制度の確立に向けた検討会」は、本年10月に報告書を法務大臣に提出しました。 この報告書には、保護司の人脈のみに頼る現状を改善するため、保護司活動のインターンシップの導入や、原則66歳以下とされている新任委嘱時の上限年齢の撤廃といった施策が掲げられています。 一方で、保護司制度の根本的な在り方について議論をし直さなくてはいけない時期に来ていると考えます。このこと踏まえて大臣に、今回の報告書に基づく施策が担い手不足の問題を解決する上で十分なものと捉えているか、認識を問いました。 大臣は「まずは今回の施策をしっかりと進めた上で、その状況を見ながら、必要であれば5年後に制度の見直しをしていく」と答弁しました。 この答弁に対し、人手不足対策の具体的な施策に留まらず、保護司制度の根本的な在り方についての議論が欠けていると指摘しました。