政策評価等年次報告に質疑~参議院本会議~
6月21日、参議院本会議で「令和5年度政策評価等の実施状況等の報告」に関して幅広に質疑と問題提起を行いました。
1. 能登半島地震における被災地復旧に向けたボランティア受け入れ体制を整備する必要性について
既に約半年が経過していますが、多くの被災地は未だに復旧の目途が立っておらず、私たちは現在進行中の災害であることを再認識する必要があります。
速やかな復旧を図るためには、ボランティアの協力が不可欠ですが、地理的な制約や宿泊施設の不足などの理由から、発災当初から現在に至るまでボランティア不足が慢性化しています。自治体任せにせず、政府がボランティア用の宿泊施設や移動手段を確保するなど、自治体と連携して積極的に支援するべきと指摘し、防災担当大臣の見解を問いました。
2. 定額減税に対する世論の評価が低い理由は何故か
政府主導の定額減税がいよいよ始まりましたが、各種世論調査によると、評価しない・あまり評価しない割合が約6割に達し、非常に低い評価となっています。通常、減税は納税者にとって好意的に受け止められるはずですが、何故ここまで評価が低いのか、その理由について財務大臣の見解を問いました。
3. 一度きりの定額減税による政策効果は
政府は、春季労使交渉による賃上げや賞与の時期に定額減税を実施し、所得の伸びを物価上昇以上にすることを目指していますが、実質可処分所得は賃上げ後もマイナス2.6%です。この政策の効果に疑問があり、少子化対策で一兆円の財源確保のため、健康保険料の増加や法人税・所得税・たばこ税の引き上げが予定されています。この状況で一度きりの定額減税が景気浮揚に効果があるのか、財務大臣と経済産業大臣に見解を問いました。
4. 定額減税実施による、システム改修や事務負担のコストは検証するのか?
毎年の年末調整や確定申告で減税額を一度に計算する方法や、対象者を限定して一律に給付する手法がシンプルで効率的であるにもかかわらず、今年は所得税の減税を年末ではなく6月に実施しました。また、住民税の減税も面倒な方法で行い、その結果、企業や自治体に多大なシステム改修費用や事務負担が発生し、不満が高まっています。この不可解な定額減税については、費用対効果の検証が求められ、4万円の減税にどれだけのコストがかかったのかを明らかにし、国会に報告すべきと指摘しました。
5.減税は給与明細への記載を義務付けたが増税する場合も給与明細に記載するのか?
これまでの政府答弁では、定額減税の実施にあたり、「行動経済学」の観点から、給与明細に減税額の記載を義務付けましたが、減税対象から外れる方々は、6月に一旦減税された上で、年末調整や確定申告時に減税分が調整されることとなります。
そのような方々は、本来減税対象ではないにもかかわらず、給与明細に減税と記載されているため、年末調整の際には増税理由を記載すべきだと指摘しました。
6.「給付付き税額控除」の導入に向けた検討を加速すべきではないか?
給付付き税額控除の導入には正確な所得把握が課題ですが、2016年のマイナンバー導入でその条件は整っています。しかし、会計検査院の調査によると地方自治体でのマイナンバー情報連携は不十分で、税金減免に関する485の手続きで全く使われていません。「給付付き税額控除」があれば定額減税や給付の実施が一貫して行え、事務作業も簡素化されました。効果的な政策実施のため、マイナンバーを活用した給付付き税額控除の導入を検討すべきと指摘しました。
7.燃料油価格激変緩和対策補助金の出口戦略についての見解
燃料油補助金と電気・ガス補助金の予算額は既に10兆円を超え、燃料油補助金の延長には期限がなく、齋藤経産大臣も「いつまでも続けるものではない」と指摘しています。高い燃料価格により企業や消費者は家計が圧迫され、消費行動にも悪影響が出ています。燃料価格政策の将来に対する不安を解消するため、補助金の出口戦略を早急に策定する必要があると指摘しました。
8.補助金からトリガー条項の凍結解除によるガソリン減税にシフトすべきではないか?
燃料油価格激変緩和対策補助金は、石油元売り会社に補助金を支給する形をとっているため、会計検査院が適正に小売価格に反映されていない可能性を指摘しています。
ワイズ・スペンディングの観点からも、出口戦略が見いだせないガソリン等への補助金をだらだら継続するよりも、トリガー条項の凍結解除によるガソリン減税にシフトすべきと訴えました。
9.家計への影響がより大きい、電気・ガス代のみ補助を終了した理由
昨年1月に始まった電気・都市ガス向け補助金が5月末に打ち切られ、ガソリン補助の終了よりも家計への負担が重いと指摘されています。政府は補助金打ち切りの理由を「国民生活や経済活動への影響を考慮した」と説明していますが、全く説明になっていません。政府の最優先課題である可処分所得の底上げを考慮すると、家計への影響が大きい電気・ガス補助金の終了理由を経済産業大臣は国民に分かりやすく説明するべきと指摘しました。
※同日の夕刻、8月~10月の間、酷暑対策として電気・ガス補助金を実施すると発表
10.いまこそ消費税減税を行うべきではないか?
物価上昇で国民生活が苦しい時こそ、継続的な減税が最も効果的な景気刺激策です。コロナ禍で欧米先進国は消費税減税を実施しましたが、日本の財務省は税率を戻せなくなることを恐れ、消費税減税を封印しています。この硬直的な政策がデフレを長引かせたことは明らかです。現在、デフレ脱却の瀬戸際にある中、消費を喚起するためには期限やインフレ目標を設定して消費税減税を行うことが最も有効と指摘しました。
1. 能登半島地震における被災地復旧に向けたボランティア受け入れ体制を整備する必要性について
既に約半年が経過していますが、多くの被災地は未だに復旧の目途が立っておらず、私たちは現在進行中の災害であることを再認識する必要があります。
速やかな復旧を図るためには、ボランティアの協力が不可欠ですが、地理的な制約や宿泊施設の不足などの理由から、発災当初から現在に至るまでボランティア不足が慢性化しています。自治体任せにせず、政府がボランティア用の宿泊施設や移動手段を確保するなど、自治体と連携して積極的に支援するべきと指摘し、防災担当大臣の見解を問いました。
2. 定額減税に対する世論の評価が低い理由は何故か
政府主導の定額減税がいよいよ始まりましたが、各種世論調査によると、評価しない・あまり評価しない割合が約6割に達し、非常に低い評価となっています。通常、減税は納税者にとって好意的に受け止められるはずですが、何故ここまで評価が低いのか、その理由について財務大臣の見解を問いました。
3. 一度きりの定額減税による政策効果は
政府は、春季労使交渉による賃上げや賞与の時期に定額減税を実施し、所得の伸びを物価上昇以上にすることを目指していますが、実質可処分所得は賃上げ後もマイナス2.6%です。この政策の効果に疑問があり、少子化対策で一兆円の財源確保のため、健康保険料の増加や法人税・所得税・たばこ税の引き上げが予定されています。この状況で一度きりの定額減税が景気浮揚に効果があるのか、財務大臣と経済産業大臣に見解を問いました。
4. 定額減税実施による、システム改修や事務負担のコストは検証するのか?
毎年の年末調整や確定申告で減税額を一度に計算する方法や、対象者を限定して一律に給付する手法がシンプルで効率的であるにもかかわらず、今年は所得税の減税を年末ではなく6月に実施しました。また、住民税の減税も面倒な方法で行い、その結果、企業や自治体に多大なシステム改修費用や事務負担が発生し、不満が高まっています。この不可解な定額減税については、費用対効果の検証が求められ、4万円の減税にどれだけのコストがかかったのかを明らかにし、国会に報告すべきと指摘しました。
5.減税は給与明細への記載を義務付けたが増税する場合も給与明細に記載するのか?
これまでの政府答弁では、定額減税の実施にあたり、「行動経済学」の観点から、給与明細に減税額の記載を義務付けましたが、減税対象から外れる方々は、6月に一旦減税された上で、年末調整や確定申告時に減税分が調整されることとなります。
そのような方々は、本来減税対象ではないにもかかわらず、給与明細に減税と記載されているため、年末調整の際には増税理由を記載すべきだと指摘しました。
6.「給付付き税額控除」の導入に向けた検討を加速すべきではないか?
給付付き税額控除の導入には正確な所得把握が課題ですが、2016年のマイナンバー導入でその条件は整っています。しかし、会計検査院の調査によると地方自治体でのマイナンバー情報連携は不十分で、税金減免に関する485の手続きで全く使われていません。「給付付き税額控除」があれば定額減税や給付の実施が一貫して行え、事務作業も簡素化されました。効果的な政策実施のため、マイナンバーを活用した給付付き税額控除の導入を検討すべきと指摘しました。
7.燃料油価格激変緩和対策補助金の出口戦略についての見解
燃料油補助金と電気・ガス補助金の予算額は既に10兆円を超え、燃料油補助金の延長には期限がなく、齋藤経産大臣も「いつまでも続けるものではない」と指摘しています。高い燃料価格により企業や消費者は家計が圧迫され、消費行動にも悪影響が出ています。燃料価格政策の将来に対する不安を解消するため、補助金の出口戦略を早急に策定する必要があると指摘しました。
8.補助金からトリガー条項の凍結解除によるガソリン減税にシフトすべきではないか?
燃料油価格激変緩和対策補助金は、石油元売り会社に補助金を支給する形をとっているため、会計検査院が適正に小売価格に反映されていない可能性を指摘しています。
ワイズ・スペンディングの観点からも、出口戦略が見いだせないガソリン等への補助金をだらだら継続するよりも、トリガー条項の凍結解除によるガソリン減税にシフトすべきと訴えました。
9.家計への影響がより大きい、電気・ガス代のみ補助を終了した理由
昨年1月に始まった電気・都市ガス向け補助金が5月末に打ち切られ、ガソリン補助の終了よりも家計への負担が重いと指摘されています。政府は補助金打ち切りの理由を「国民生活や経済活動への影響を考慮した」と説明していますが、全く説明になっていません。政府の最優先課題である可処分所得の底上げを考慮すると、家計への影響が大きい電気・ガス補助金の終了理由を経済産業大臣は国民に分かりやすく説明するべきと指摘しました。
※同日の夕刻、8月~10月の間、酷暑対策として電気・ガス補助金を実施すると発表
10.いまこそ消費税減税を行うべきではないか?
物価上昇で国民生活が苦しい時こそ、継続的な減税が最も効果的な景気刺激策です。コロナ禍で欧米先進国は消費税減税を実施しましたが、日本の財務省は税率を戻せなくなることを恐れ、消費税減税を封印しています。この硬直的な政策がデフレを長引かせたことは明らかです。現在、デフレ脱却の瀬戸際にある中、消費を喚起するためには期限やインフレ目標を設定して消費税減税を行うことが最も有効と指摘しました。