民法の改正に対して代表質問~参議院本会議~
11月18日、参議院本会議で国民民主党・新緑風会を代表して民法の改正案に対し齋藤法務大臣の認識等を問いました。
今回の民法改正は、子の利益、地位を保全する観点から民事基本法制を改善するものであり意義は大きいものであります。一方で、親子関係の根幹を成す親権などは、社会の現状や制度の整合性、安定性の観点から明確な規定を盛り込めず、積み残した課題もある改正となっています。
【「体罰に該当する行為」とは、「子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動」とは】
民法822条は、子の監護教育権の規定に基づき、必要な範囲でその子を懲戒できると規定している。しかし、この民法822条の懲戒権規定が児童虐待を正当化する口実に使われているおそれがあることから、今回、懲戒権規定が削除され、加えて、民法821条に新たに子の人格の尊重を設けることで児童虐待の防止を実現しようとすることが今回の改正趣旨であります。子の人格の尊重を規定する民法821条には、親権を行う者は、監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の過程に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達の有害な影響を及ぼす言動をしてはならないと規定されているが、この体罰に該当する行為とは何を指すのか。あわせて、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動とはいかなる言動かを問いました。
【「社会的コンセンサスが形成されている行為」とは】
法案の補足説明では、心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の内容は、実体法上禁止されるべきことについて、社会的コンセンサスが形成される行為に限られるものであるとの説明がある。社会的コンセンサスが形成される行為とはどのような行為が考えられるかを問いました。
【困難な状況を抱えている親への支援体制を構築することの必要性】
子供の利益を図るため、親権者に子供の監護教育の指針を示す今回の法改正が、困難な事情を抱える親をむしろ追い込むことになり、かえって子の利益を害するとの指摘がある。社会、経済、メンタルヘルスなど多面的な観点から、困難な状況を抱えている親への適切な支援が極めて重要になるが、どのような対応を考えているのかを問いました。
【民法改正に伴って必要となる家庭裁判所の支援体制の強化をどのように図っていくのか】
令和2年の内閣人事局の通達により、各府省の定員合理化5か年計画が進む中、今次の民法改正に伴って必要となる家庭裁判所の支援体制の強化をどのよう図っていくのかを問いました。
【国籍法3条3項を新設した理由、国籍法3条3項は認知自体を無効にするものなのか 】
認知の届け出について、国籍法第3条第3項が新設された。無論、偽装認知による戸籍取得は決して認められるものではないが、そもそも、現行刑法においても偽装認知は公正証書原本記載罪に該当する。なぜ、国籍法第3条第3項を加える必要があるのかを問いました。
【国籍法3条3項の規定は無戸籍児を減らすという民法改正の立法趣旨に反するのでは】
認知よって成立ないし確定された親子関係が、期間の制限なく認知無効の訴えによって覆される可能性がこれまであった。今回、民法786条を改正して、認知無効の訴えに7年間の期間制限を設けて子供の地位の保全を図ることとしている。しかし、同時に、国籍法第3条第3項を新設して、国籍法第3条の手続きに限って民法786条の改正の仕組みを適用せず、認知が事実に反する場合は、仮に認知後何十年が経過していても国籍法第3条に基づく国籍取得を認めず、既に取得している日本国籍をその取得時に遡って喪失させることとなる。婚外子として出生したことについて子供自身に責任はなく、国籍法第3条第3項の追加は、解釈、運用のいかんによっては、認知が事実に反した場合、日本で生まれて日本人として育ってきた子供が出生時に遡って国籍をはく奪され、不法在留者として強制退去の対象者になる最大の不利益を被ることとなる。無戸籍を減らす今回の民法改正の立法趣旨に明らかに逆行するものである。あわせて、国籍法第3条第3項は、認知に反する事実がある場合に国籍取得を無効にすることを規定するものであるが、認知事態を無効にするか否かは条文に記載されていない。国籍法第3条第3項は認知自体を無効にするものなのかを問いました。
【国際化が進展する現代社会に即した国籍法改正の議論を進めるべき】
現行の国籍法では、日本人の父親から認知された外国籍の子供は国籍法第3条第1項の規定により日本国籍を取得できるが、その時に外国籍の離脱は求められない。一方、日本国籍を持っている人が外国籍を取得すると、国籍法第11条第1項の規定により選択の余地のないまま日本国籍の離脱を求められる。国際化が進展する現代社会に即した国籍法改正の議論を進めるべきであることを指摘しました。
この問いに対し、大臣の回答は具体性・明確性に欠ける内容でありました。今後、法務委員会において改めて質してまいります。
今回の民法改正は、子の利益、地位を保全する観点から民事基本法制を改善するものであり意義は大きいものであります。一方で、親子関係の根幹を成す親権などは、社会の現状や制度の整合性、安定性の観点から明確な規定を盛り込めず、積み残した課題もある改正となっています。
【「体罰に該当する行為」とは、「子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動」とは】
民法822条は、子の監護教育権の規定に基づき、必要な範囲でその子を懲戒できると規定している。しかし、この民法822条の懲戒権規定が児童虐待を正当化する口実に使われているおそれがあることから、今回、懲戒権規定が削除され、加えて、民法821条に新たに子の人格の尊重を設けることで児童虐待の防止を実現しようとすることが今回の改正趣旨であります。子の人格の尊重を規定する民法821条には、親権を行う者は、監護及び教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、その年齢及び発達の過程に配慮しなければならず、かつ、体罰その他の子の心身の健全な発達の有害な影響を及ぼす言動をしてはならないと規定されているが、この体罰に該当する行為とは何を指すのか。あわせて、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動とはいかなる言動かを問いました。
【「社会的コンセンサスが形成されている行為」とは】
法案の補足説明では、心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動の内容は、実体法上禁止されるべきことについて、社会的コンセンサスが形成される行為に限られるものであるとの説明がある。社会的コンセンサスが形成される行為とはどのような行為が考えられるかを問いました。
【困難な状況を抱えている親への支援体制を構築することの必要性】
子供の利益を図るため、親権者に子供の監護教育の指針を示す今回の法改正が、困難な事情を抱える親をむしろ追い込むことになり、かえって子の利益を害するとの指摘がある。社会、経済、メンタルヘルスなど多面的な観点から、困難な状況を抱えている親への適切な支援が極めて重要になるが、どのような対応を考えているのかを問いました。
【民法改正に伴って必要となる家庭裁判所の支援体制の強化をどのように図っていくのか】
令和2年の内閣人事局の通達により、各府省の定員合理化5か年計画が進む中、今次の民法改正に伴って必要となる家庭裁判所の支援体制の強化をどのよう図っていくのかを問いました。
【国籍法3条3項を新設した理由、国籍法3条3項は認知自体を無効にするものなのか 】
認知の届け出について、国籍法第3条第3項が新設された。無論、偽装認知による戸籍取得は決して認められるものではないが、そもそも、現行刑法においても偽装認知は公正証書原本記載罪に該当する。なぜ、国籍法第3条第3項を加える必要があるのかを問いました。
【国籍法3条3項の規定は無戸籍児を減らすという民法改正の立法趣旨に反するのでは】
認知よって成立ないし確定された親子関係が、期間の制限なく認知無効の訴えによって覆される可能性がこれまであった。今回、民法786条を改正して、認知無効の訴えに7年間の期間制限を設けて子供の地位の保全を図ることとしている。しかし、同時に、国籍法第3条第3項を新設して、国籍法第3条の手続きに限って民法786条の改正の仕組みを適用せず、認知が事実に反する場合は、仮に認知後何十年が経過していても国籍法第3条に基づく国籍取得を認めず、既に取得している日本国籍をその取得時に遡って喪失させることとなる。婚外子として出生したことについて子供自身に責任はなく、国籍法第3条第3項の追加は、解釈、運用のいかんによっては、認知が事実に反した場合、日本で生まれて日本人として育ってきた子供が出生時に遡って国籍をはく奪され、不法在留者として強制退去の対象者になる最大の不利益を被ることとなる。無戸籍を減らす今回の民法改正の立法趣旨に明らかに逆行するものである。あわせて、国籍法第3条第3項は、認知に反する事実がある場合に国籍取得を無効にすることを規定するものであるが、認知事態を無効にするか否かは条文に記載されていない。国籍法第3条第3項は認知自体を無効にするものなのかを問いました。
【国際化が進展する現代社会に即した国籍法改正の議論を進めるべき】
現行の国籍法では、日本人の父親から認知された外国籍の子供は国籍法第3条第1項の規定により日本国籍を取得できるが、その時に外国籍の離脱は求められない。一方、日本国籍を持っている人が外国籍を取得すると、国籍法第11条第1項の規定により選択の余地のないまま日本国籍の離脱を求められる。国際化が進展する現代社会に即した国籍法改正の議論を進めるべきであることを指摘しました。
この問いに対し、大臣の回答は具体性・明確性に欠ける内容でありました。今後、法務委員会において改めて質してまいります。