法定養育費の問題点を問う(共同親権および法定養育費等の導入に向けた民法改正案)~参議院法務委員会~
5月14日、参議院法務委員会で本改正案の一つの「法定養育費」の問題点等を指摘し、政府の認識を問いました。
改正案には、養育費の取り決めをしないで離婚した場合に補完的に対応する法定養育費を導入するとされています。しかし、金額が低く定額になる可能性が高いのではないかとの懸念の声があります。また養育費の先取特権が付与されるとされていますが、差押手続自体が複雑で当事者が対応できないことから、裁判所が差押の判断をすることになるものの、何を根拠に先取特権の判断をしてくれるのかとの疑問の声があります。さらに別居親が財産を隠匿したような場合、差押ができなくなるのではないかとの声もあります。この懸念に対し、政府は強制執行の申立にあたり「監護親が別居親の財産が分からない場合は、財産開示手続や第三者からの情報取得手続により判明した財産に対して差押手続を行う」、差押手続については「1回の申立てで財産開示手続、第三者からの情報開示手続により判明した給与債権に対する差押手続を連続的に行う仕組みを導入する」とされ煩雑な手続きがワンストップで可能としています。しかしながら、制度を作って国民にしっかり周知しない限りは懸念を払しょくできないと指摘し、周知徹底に努めるよう求めました。
全く新しい概念の共同親権を導入するにあたり、真摯に子の利益・最善の利益に向き合って、そのことを前提として法律や運用の立て付けを行うことが議論のスタートにあるべきであり、離婚によって子が貧困に陥らないようにするために何をすべきなのかを最優先に考え議論すべきと指摘しました。
その上で、法定養育費は最低限の金額を規定するものであって、監護の分掌に基づく養育費の分担額の基準については現時点では不明なことや、裁判所が作成している養育費算定表は父母の収入と子の人数だけが考慮要素であり、受け取る側からは子の学費・進学費用への不満、支払う側からは住宅ローンなどが考慮要素となっていないとの不満の声があります。G7各国では、親権者や子の養育分担時間ならびに法的決定にあっての考慮要素を明確にしています。日本においても法定養育費と監護の分掌を決定する上での考慮要素を明文化することにより国民の理解促進に繋がること。あわせて判断基準がある程度明確化になることにより裁判の迅速化にも大きく資することになると指摘。法施行までの二年間の準備期間の中でガイドラインを整理すると同時に各省庁と連携を図り配慮すべき事項についても明示すべきと訴え、法務大臣の認識を問いました。
大臣は「周知の方法、やり方などをよく詰めて国民の側から分かりやすく理解していただけるものを目指していきたい」と応じました。
養育費の決定をしっかり行うことが子の貧困解消に極めて有効な効果があります。養育費の受け取り割合は、養育時間の取り決めがある家庭とそうでない家庭では、取り決めを行っている家庭が倍以上の受け取り率となっています。子の共同養育を行う場合の養育時間と養育費の額はトレードオフすべきではないのかとの指摘もあります。今後、共同親権が安定的に運用されるようになったときには、養育時間と養育費のトレードオフについても考えておく必要があることを指摘し、調査研究を今から始めておくべきと訴え大臣の認識を問いました。
大臣は「指摘は非常に子どもを実質的に守るとの問題意識で切り込んでいることはよく理解した。その問題意識はできる限り理解していきたい」と応じました。
改正案には、養育費の取り決めをしないで離婚した場合に補完的に対応する法定養育費を導入するとされています。しかし、金額が低く定額になる可能性が高いのではないかとの懸念の声があります。また養育費の先取特権が付与されるとされていますが、差押手続自体が複雑で当事者が対応できないことから、裁判所が差押の判断をすることになるものの、何を根拠に先取特権の判断をしてくれるのかとの疑問の声があります。さらに別居親が財産を隠匿したような場合、差押ができなくなるのではないかとの声もあります。この懸念に対し、政府は強制執行の申立にあたり「監護親が別居親の財産が分からない場合は、財産開示手続や第三者からの情報取得手続により判明した財産に対して差押手続を行う」、差押手続については「1回の申立てで財産開示手続、第三者からの情報開示手続により判明した給与債権に対する差押手続を連続的に行う仕組みを導入する」とされ煩雑な手続きがワンストップで可能としています。しかしながら、制度を作って国民にしっかり周知しない限りは懸念を払しょくできないと指摘し、周知徹底に努めるよう求めました。
全く新しい概念の共同親権を導入するにあたり、真摯に子の利益・最善の利益に向き合って、そのことを前提として法律や運用の立て付けを行うことが議論のスタートにあるべきであり、離婚によって子が貧困に陥らないようにするために何をすべきなのかを最優先に考え議論すべきと指摘しました。
その上で、法定養育費は最低限の金額を規定するものであって、監護の分掌に基づく養育費の分担額の基準については現時点では不明なことや、裁判所が作成している養育費算定表は父母の収入と子の人数だけが考慮要素であり、受け取る側からは子の学費・進学費用への不満、支払う側からは住宅ローンなどが考慮要素となっていないとの不満の声があります。G7各国では、親権者や子の養育分担時間ならびに法的決定にあっての考慮要素を明確にしています。日本においても法定養育費と監護の分掌を決定する上での考慮要素を明文化することにより国民の理解促進に繋がること。あわせて判断基準がある程度明確化になることにより裁判の迅速化にも大きく資することになると指摘。法施行までの二年間の準備期間の中でガイドラインを整理すると同時に各省庁と連携を図り配慮すべき事項についても明示すべきと訴え、法務大臣の認識を問いました。
大臣は「周知の方法、やり方などをよく詰めて国民の側から分かりやすく理解していただけるものを目指していきたい」と応じました。
養育費の決定をしっかり行うことが子の貧困解消に極めて有効な効果があります。養育費の受け取り割合は、養育時間の取り決めがある家庭とそうでない家庭では、取り決めを行っている家庭が倍以上の受け取り率となっています。子の共同養育を行う場合の養育時間と養育費の額はトレードオフすべきではないのかとの指摘もあります。今後、共同親権が安定的に運用されるようになったときには、養育時間と養育費のトレードオフについても考えておく必要があることを指摘し、調査研究を今から始めておくべきと訴え大臣の認識を問いました。
大臣は「指摘は非常に子どもを実質的に守るとの問題意識で切り込んでいることはよく理解した。その問題意識はできる限り理解していきたい」と応じました。