国民民主党の現行憲法に対する課題認識を示す ~参議院憲法審査会~
11月26日の参議院憲法審査会において、国民民主党・新緑風会を代表し、現行憲法に対する課題認識と今後の議論の方向性について意見を述べました。
現行憲法は、人権尊重、国民主権、平和主義の理念の下、国家権力の統制と個人の人権保障を定めており、この理念と体系は今後も堅持すべきものです。一方で、国際情勢の変化やデジタル時代、AI社会の進展など、制定時には想定されていなかった事象に十分対応し切れない事象も生じています。
まず、デジタル時代の人権保障について申し上げました。AIの普及が個人の思想・良心の形成過程に影響を与え、プラットフォーム事業者のマイクロターゲティングやフィルターバブルが選挙や国民投票に作用することにより、主権者の自律的な政治的意思形成が揺らぐおそれがあります。このため、国民投票法・公職選挙法の公正性確保の規律を整えることや、その憲法上の明確化の可否を検討すべきと提起しました。
さらに、思想形成過程の自律性の明文化、個人の尊重の仮想空間への拡張、情報自己決定権の明記、プラットフォーム事業者への一定の責務付け、独立したデータ保護機関の設置など、時代に即した人権保障の在り方を検討する必要性を述べました。
次に、統治機構分野の課題として、現行憲法の条文が極めて抽象的で、解釈や不文律で補わねばならない余地が大きく、規律統制力が弱い点を指摘しました。特に地方自治はわずか四条文にとどまり、住民自治や団体自治が法律に左右され、形骸化している現状があります。また、衆議院解散権の恣意的行使や、憲法上の要件を満たしても臨時会が召集されないなど、国会が十分機能しない事例も見受けられます。三権分立のゆがみを是正し、憲法の規範力を再構築するため、統治機構の規律密度を適切に高める必要があると申し上げました。
さらに、参議院の緊急集会について、自然災害や感染症のパンデミックなどに備え、緊急集会の権能や開催要件を整理すべきと述べました。衆議院が存在しない、または機能しない場合に参議院が国会の権能を代行する以上、正統性を担保した上で、目的に適合する範囲で権能に制約はないと考えるべきと意見を述べました。
最後に、憲法審査会の運営について、参議院改革協議会との議論のオーバーラップを踏まえ、両者の連携や情報共有の在り方を検討するよう提案しました。また、衆議院憲法審査会では国民投票法をめぐり具体的な対応策が議論されているため、関係規定の整備にあたり衆参が足並みをそろえる必要があることを指摘し、通常国会に向けて速やかな検討を要請しました。
現行憲法は、人権尊重、国民主権、平和主義の理念の下、国家権力の統制と個人の人権保障を定めており、この理念と体系は今後も堅持すべきものです。一方で、国際情勢の変化やデジタル時代、AI社会の進展など、制定時には想定されていなかった事象に十分対応し切れない事象も生じています。
まず、デジタル時代の人権保障について申し上げました。AIの普及が個人の思想・良心の形成過程に影響を与え、プラットフォーム事業者のマイクロターゲティングやフィルターバブルが選挙や国民投票に作用することにより、主権者の自律的な政治的意思形成が揺らぐおそれがあります。このため、国民投票法・公職選挙法の公正性確保の規律を整えることや、その憲法上の明確化の可否を検討すべきと提起しました。
さらに、思想形成過程の自律性の明文化、個人の尊重の仮想空間への拡張、情報自己決定権の明記、プラットフォーム事業者への一定の責務付け、独立したデータ保護機関の設置など、時代に即した人権保障の在り方を検討する必要性を述べました。
次に、統治機構分野の課題として、現行憲法の条文が極めて抽象的で、解釈や不文律で補わねばならない余地が大きく、規律統制力が弱い点を指摘しました。特に地方自治はわずか四条文にとどまり、住民自治や団体自治が法律に左右され、形骸化している現状があります。また、衆議院解散権の恣意的行使や、憲法上の要件を満たしても臨時会が召集されないなど、国会が十分機能しない事例も見受けられます。三権分立のゆがみを是正し、憲法の規範力を再構築するため、統治機構の規律密度を適切に高める必要があると申し上げました。
さらに、参議院の緊急集会について、自然災害や感染症のパンデミックなどに備え、緊急集会の権能や開催要件を整理すべきと述べました。衆議院が存在しない、または機能しない場合に参議院が国会の権能を代行する以上、正統性を担保した上で、目的に適合する範囲で権能に制約はないと考えるべきと意見を述べました。
最後に、憲法審査会の運営について、参議院改革協議会との議論のオーバーラップを踏まえ、両者の連携や情報共有の在り方を検討するよう提案しました。また、衆議院憲法審査会では国民投票法をめぐり具体的な対応策が議論されているため、関係規定の整備にあたり衆参が足並みをそろえる必要があることを指摘し、通常国会に向けて速やかな検討を要請しました。

