2月26日、参議院本会議において、国民民主党・新緑風会を代表し、高市総理の施政方針演説(政府4演説)に対する代表質問を行いました。物価高対策、財政運営、働き方改革、就職氷河期世代支援、産業政策、外国人政策、医薬品産業、公共交通政策まで幅広いテーマについて、建設的な立場から具体的な説明を求めました。
■ 予算審議の在り方 ― 熟議と財政民主主義
122兆円を超える過去最大規模の予算案について、年度内成立を優先するあまり審議が不十分にならないかを問いかけました。大きな政策転換を掲げる以上、国会での十分な議論と国民への丁寧な説明が不可欠です。
総理は、国民生活に支障が生じないよう年度内成立を目指し、誠実に審議に対応すると答弁しました。
■ 過度な緊縮志向と成長戦略
総理は施政方針演説で「過度な緊縮志向を断ち切り、成長のスイッチを押す」と述べられました。そこで、なぜこれまで民間投資が十分に拡大せず、投資不足が続いてきたのか、その要因をどう分析しているのかをただしました。その上で、「成長のスイッチ」とは具体的にどの政策を指し、どのような仕組みで投資や賃上げにつなげていくのか、具体策を問いました。
総理は、長年のデフレ環境下で企業がコスト削減を優先し、将来への投資が抑制されてきたことが背景にあると説明しました。その上で、AIや半導体、造船など17の戦略分野を重点的に支援し、官民投資を促進していく考えを示しました。
■ 物価上昇を上回る賃上げ
実質賃金がマイナスの状況が続く中で、物価上昇を上回る賃上げをどのように実現するのかを問いかけました。単に企業に賃上げを要請するだけでなく、特に中小企業が持続的に賃上げできる環境をどう整えるのかが重要です。価格転嫁の実効性確保や生産性向上支援、取引慣行の是正など、構造的な課題への具体策をただしました。
総理は、中小企業への伴走型支援や生産性向上投資の促進、価格転嫁の徹底などを通じ、賃上げが継続する経済環境を整備していくとの考えを示しました。
■ 税収弾性値と財政運営
税収弾性値(経済が1%成長したとき税収が何%増えるかを示す指標)が近年高く推移し、実際に税収の上振れが続いている状況を踏まえ、税収を過度に控えめに見積もるべきではないと指摘しました。日本は累進課税を中心とした税制であり、賃金や企業収益が伸びれば税収は想定以上に増えやすい構造にあります。政府が2%のインフレ目標を掲げるのであれば、その前提に立った税収見通しを示すべきと指摘しました。
財務大臣は、予算編成における税収見積りは税収弾性値を機械的に当てはめて算出しているものではなく、各税目の足下の実績や政府経済見通しを踏まえて積み上げ方式で算定していると述べたうえで、結果として上振れや下振れが生じることはあるものの、意図的に低く見積もっているものではないとの認識を示しました。
■ 働き方改革と労働時間規制
裁量労働制の見直しや時間外労働割増率の在り方については、過労死や精神障害の労災認定件数が増加している現状との整合性を問いかけました。長時間労働の是正が十分に進んでいない中で、規制緩和の議論を先行させることには慎重であるべきではないかと問題提起しました。
総理は、心身の健康確保を前提に柔軟な働き方を議論する必要があるとの考えを示しました。また厚生労働大臣は、過労死等防止対策の重要性を認めた上で、裁量労働制については制度趣旨に沿った適正な運用が確保されることが前提であり、労働市場改革分科会や労働政策審議会において運用・制度の両面から議論を進めると述べました。
■ 就職氷河期世代支援
就職氷河期世代が高齢期を迎える2040年代を見据え、資産形成支援などの強化が不可欠であると提起しました。就職時の出遅れがその後の低賃金や非正規雇用の長期化につながり、将来の低年金や貯蓄不足へと連動する構造的課題があることを指摘しました。いわゆる「2040年問題」を先送りせず、雇用対策と社会保障政策を一体で講じる必要性を訴えました。
総理は、従来の就労・処遇改善支援に加え、新たな柱として家計改善や資産形成支援、住宅確保支援など高齢期を見据えた対策を盛り込んだ支援プログラムを、今年度内を目途に取りまとめると答弁しました。
■ 産業政策・外国人政策・医薬品産業
製造業の設備更新支援、外国人政策、医薬品産業の競争力強化について問いました。
老朽化が進む製造設備の更新については、高市総理に対して、GXや防災投資と一体化した成長投資として位置付けるべきではないかと指摘しました。単なる修繕や維持管理にとどまらず、省エネ化や高度化を伴う設備更新を通じて生産性向上と競争力強化につなげるべきであり、そのための政策的後押しをどう具体化するのか見解を問いました。
高市総理は、GX経済移行債の活用や戦略分野における官民投資ロードマップの策定を通じて、企業の設備投資を後押ししていく考えを示しました。また、城内内閣府特命大臣は、生産性向上や成長投資の促進が企業収益の改善につながり、それが持続的な賃上げの原資となるとの考えを示し、中小企業支援や価格転嫁の環境整備を含め、投資と賃上げを好循環で回していく方針を述べました。
外国人政策について、高市総理に対して、規制強化だけでなく共生社会の明確なビジョンを示すべきではないかと提言しました。
総理は、排外主義とは一線を画し、秩序ある共生社会の実現に取り組むとの方針を述べました。
医薬品政策では、薬価改定の在り方について高市総理に問い、頻回の薬価引き下げが研究開発投資や国内生産基盤の維持に与える影響をどう認識しているのかを問いました。また、薬価を引き下げ続けながら、どうやって創薬力を強化するのか、その方針をただしました。加えて、米国の最恵国待遇政策(米国の薬の価格を、海外の最安値に合わせる仕組み)が国内市場や創薬環境に与える影響については、厚生労働大臣に見解を求めました。
総理は、薬価制度については市場実勢価格を適切に反映しつつ、革新的新薬の開発を促進する仕組みの強化や安定供給確保策を講じていく考えを示しました。研究開発投資が維持・拡大される環境整備にも取り組むとの認識を述べました。
また、米国の最恵国待遇政策が国内市場や創薬環境に与える影響について、厚生労働大臣は、米国の政策動向を注視するとともに、国内製薬産業や医薬品供給体制への影響を十分に分析した上で、必要な対応を検討していくとの考えを示しました。
■ 公共交通・鉄道政策
人口減少が進む中で、公共交通、とりわけローカル線の将来は地域の生活基盤や地方創生に直結する重要な課題です。通勤・通学や高齢者の移動手段の確保に加え、観光振興や災害時の代替輸送など多面的な役割を担っています。また、ローカル線は新幹線ネットワークと接続することで広域的な人の流れを支える基盤でもあります。収支のみで存廃を判断するのではなく、新幹線を含む全国的な鉄道ネットワーク全体の在り方を踏まえ、国として将来ビジョンを示すべきではないかと提起しました。
国土交通大臣は、第三次交通政策基本計画に基づき、新幹線ネットワークを含む幹線鉄道と地域鉄道の役割分担を踏まえながら、地域の実情に応じた持続可能な交通ネットワークの再構築や交通空白の解消に取り組んでいくとの考えを示しました。
国民民主党は「対決より解決」の姿勢で、物価高に苦しむ国民生活の底上げと持続的な成長の実現に向け、引き続き建設的な政策提案を行ってまいります。
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